02.Dec.2022
-IT’S MY FRENCH- vol.3
“この気まぐれで奇妙な国”
vol.3
HIROMI KATO
THENN AROMATHERAPY 主宰
2022FALL/WINTER COLLECTIONのテーマ
“Cinématique“
Inspirationになったのは、”狂騒の時代”と言われた20’sのフランスや80’のフレンチニューシネマに生きたミューズ達。
自由にしなやかに、自身を信じて愛に生きる女性達はいつの時代も美しいもの。
今回は、CURRENTAGEにも関わりがあり、普段から多様に活躍する3人の女性達に”It’s my French=私にとってのフレンチ”を聞いてみました。
第3回目、ラストとなる今回は“THENN“として精油療法士、国際セラピストとして活動されている加藤広美さんにCURRENTAGEデザイナー塚崎恵理子がお話をお伺いしました。
ー共同作業で作られる香り
(塚崎恵理子=以下E)
ー広美さんは“THENN AROMATHERAPY“としてパーソナルブレンディングをメインに活動していらっしゃいますよね。
まずはそのセッションってどんなもの?と思われる方も多いと思うので、教えてください。
(加藤広美=以下H)
ーはい、私が提供しているPersonal Blendingのセッションでは、まず対面でカルテを記入いただき、心と身体の状態を確認します。カウンセリングをしながら、精油(エッセンシャルオイル)の持つ薬理と芳香、その両面から調合を考えてブレンドしていきます。
心身を整えるため、眠りの改善や不調の緩和、人生における節目や、新しい事をはじめる時に背中を押すものだったり、自分を知るためのきっかけであったりと、いらっしゃる理由は様々ですが、目的と体調に合う精油を選び、お会いして感じたご本人の印象と重ねて調合し、精油の香りでその方の肖像画を描く、というようなイメージです。
Eー自分の頭の中だったり心の中って、分かっているようで、分からない。認めたくない気持ちだったり、外に出したいんだけど、どういう風に形にして良いのか、言葉に置き換えて良いのか分からないということが私はよくあるんですよね。
物を作るにしても自分の中で整理をつけるために“取っ掛かり“みたいなものはやっぱり必要で。ひろみさんのセッションにはいつもその感覚を刺激されて、“取っ掛かり“を掴む助けをしてもらっているなと感じています。セッションの中で、あぁ、今私はこの香りが必要だな、と身体が反応するのですが、その理由は私には分からない。それに対して広美さんがお話してくれることが、そうそう!ということが多くて。いつも本当にすごいなと思っています。
Hーありがとうございます。人によってこういうセッションの相性が良い、悪いというのはあると思うんです。香りによって脳が刺激されることでパフォーマンスが上がるというのは、アロマテラピーの魅力の1つであると思うのですが、それはきっと、受け取る側の五感が研ぎ澄まされていることや、香りそのものに対して“自分にとって助けになる物“として信頼を置いているかどうかも重要な気がします。
一方通行では成り立たなくて、信頼関係あってこそだと思うんですよね。これがあればなんとかしてくれるだろうとか、これで○×は良くなりますか?という感じで思われる方もいらっしゃいますが、そういう風に“ただ何かを自分に与えてくれる物“だと思っている人にとっては、もしかしたら肩透かしかもしれませんね。見えないもの、よく分からない物、不思議なものだけど気になる、という方が、イマジネーションが膨らむのかもしれません。実際にセッションに来ていらっしゃる方にも、デザインや芸術など、色々なジャンルのアーティストの方は多いですね。
表現をお仕事にされている方を見ていて思うのが、アウトプットの多い毎日での栄養補給で、満足できる場所ってそんなに沢山は無いんだと。美味しい物を食べる、映画を観るとか色々あると思うのですが、そうじゃなく、もう少し目に見えない物、見えないんだけど何かを掴むということが栄養となる人。そういう栄養補給が必要という人っているんだと思います。えりちゃんも、香りを通じて何かを掴むのが得意な人だから相性が良いって言ってくれるのかもしれません。
Eー前提的に相性というのはありますよね。
セッションでは、沢山ある精油の中から今自分にとって必要な香りを見つけていきます。自分の香りに対する先入観だったり、逆に時には好きだった香りも全然欲さない、ということもある。たとえ沢山の香りを目の前に置かれたとしても、絶対に自分だけでは見つけられないと思うんです。それをカウンセリングのちょっとしたキーワードから与えてもらえるTHENN AROMATHERAPYのセッションはすごく贅沢な場所だなと本当に思います。
Hー共同作業みたいなところはありますよね。2人で確認しながら、こうかもね、こうなんじゃない?とか。
それで持ち帰って使ってみて、改めて腑に落ちたり、その後少し経ってからふと使ってる時に納得した!とか。
不思議なもので、後から答え合わせみたいなところも大きいのかな。
Eー確かに、先日のセッションがそうでしたよね。数日後に「あ、来ました!」みたいな(笑) ある意味では受ける側も身を委ねているから、ちゃんと与えてもらえるという部分もあるのかもしれないですね。
Hーやっぱり身体のことも気持ちの部分でも、開いてくれてるからということも大きいですね。「BODY」「MIND」「SPIRIT」よく“心技体“って言いますが、この3つが噛み合っていることが良い状態だと思います。
体が元気なだけでも駄目だし、気持ちだけやる気があっても駄目、精神と肉体と心というのが中庸のところにあって調和が取れていると、問題があっても冷静に考えられたり、全部を見渡せて判断できたりしますよね。
それはアロマテラピーがあるからどうこうということではなく、えりちゃんのコンディションとして大切なこと。
睡眠や食事と同じように、生活において大切なものの1つとして、コンディションを整える助けになってるということなんだと思います。
Eーコンディションが整うからこそ、頭の中に届いてコレクションのインスピレーションだったりに結びつくみたいなことに繋がっているのかもしれません。
Hーそうですね。あと、えりちゃんからはよくモヤモヤしてる時に開けた、みたいなこともよく聞くよね。
Eーそうなんです!
あぁ自分ってやっぱりこう思っていたんだ、これで間違いないんだ、とか。自分にとって答え合わせや確認みたいな意味合いも大きいですね。
ー記憶と思考と香りの謎
Eー今回広美さんにお話を聞いてみたいと思ったのも、ちょうど22AWのコレクションの構想をまとめている最中に出会った広美さんが創られた香りがきっかけです。
その時、自分にとっては原点的な“フランス“というキーワードが頭にあって。
昔から好きな20年代のパリや80’s〜Early90’sのフランス映画だったりを辿り直している時期に、たまたま広美さんが作った甘い香りがビタッと来て。自分の中でインスピレーションやコレクションの世界観がその香りによって広がったんですよね。
なので、この香りを嗅ぐと年末に向かって慌ただしくなってきたコレクション制作の頃を思い出します。
ただ不思議なのが、広美さんはその香りをフランスというキーワードなんて全く考えずに調合していて、むしろCharritaの展示会で千尋さんの為に作った香りだったので、もしかしたらメキシコだったりを連想して作った香りだったのかなと思うんですよね。
私はなぜその香りからフランスが連想されて繋がったんだろう?というのが自分でも不思議で。
Hー香りから想起されるものっていうのはもちろんあるのですが、なんでだろうね?
調合に入っていた内容を見てみると、結構スパイスを多く使っています。
カルダモンがベースとなっていて、合わせたものがバニラ、バルサムペルー、ナツメグやガイヤクウッド、冬山椒、タンジェリンなど、甘いだけじゃない濃厚で複雑な香りでしたね。
Eーちなみにあの甘い香りはバニラですか?どこかお菓子っぽいというか、パティスリーっぽい香りがしますね。
Hーバニラだけでなくバルサムペルーという樹脂の香りですね。シナモンとバニラを合わせたような香りがします。ベースとなっているカルダモン自体がパティスリーっぽい甘さも感じる香りですし、実際焼き菓子にもスパイスは多く使われていますよね。
ちょうどその時えりちゃんは頭がフルで疲れてるって言っていたので甘さがフィットするタイミングだったんだと思います。やはり食べ物と同じで甘い香りは休まる感じがしたりするので。
Eーその時“自分を甘やかす“みたいなことも大事だっていうことを広美さんが仰っていて。
その後のパーソナルセッションでもそのキーワードはありましたし、その時の自分に必要な要素だったんだと思います。甘さの他に、フランスって異国を受け入れて自分達の生活に取り込んじゃうみたいな部分が自分にとっての魅力の1つだったりします。特にパリは様々な人種の人が住んでいますし、スパイスの香りというのも自分の中ではフランスに繋がったのかもしれません。
Hーそうですね。食事もスパイスを使った料理、ファラフェルなんかも好んで食べますよね。だから親和性はすごくあると思います。それから、バニラなんかはものすごくパリっぽい香りだと思うんです。こういう甘い香りって乾いた空気の土地でこそ良さが発揮されるんですよね。
Eーそうなんですね。でも確かに日本のような湿気のあるところだと重たく感じるのかも。
Hーそう。季節によっては重たく甘さが出過ぎてしまう時があるので、日本人では苦手という方も多いかもしれないですね。でも例えばこれからの寒い季節なんかは、バニラの甘さを含んだ複雑な香りが心地よかったりもするんだけれども。
Eー“複雑な香り“という部分でも一筋縄ではいかないフランス映画のあの世界観とリンクしたりしたのかなと思ったりしました。裏を返すとすごくシンプルなのかもしれないんですけど、人間っていろんな思考回路があって、ある程度複雑じゃないですか。そういう部分を結構フランス映画って出してくるので。そういう部分がリンクしたのかもしれません。
Hーまどろっこしい感じだったりね。分かります。
香りの感じ方って直接的なインスピレーションよりも、自分でも思いがけないタイミングでということの方が実際は多いのかもしれないって思うんです。その時の自分の思考の中に、香りと何か合致するものがあったとき、何かしら感情が動くんだと思うんですよね。あの香りが遠因としてパリの記憶と結びついたところがあって、それに当時考えていたこと、その時のえりちゃんだと映画とか文化、そういったものと結びついて更に広がっていくスイッチになったんだと思います。
Eー香りは記憶と結びつくとよく言われますもんね。まさにそうだったんだなと実感します。
Hー扉を開けるみたいな意味合いですよね。香りによって忘れてたことを思い出す、とかそういった事の方が感覚的に近いんです。
例えば、それがいつか食べたお菓子の香りかもしれないし、映画の中に出てくるシーンだったりとかとリンクしている時もあるかもしれないし。
あとは香水。フランスって香水の国でもあるので、印象的に映画の1シーンに出てきたりしますよね。小道具的に登場して女性が香水をつけるシーンだったり、象徴としてドレッサーに香水の瓶が置いてあるシーンだったり…潜在的にフランス自体が香りと結びついている、みたいなこともあるのかもしれないですね。
Eーそうですね。パリとかって街中いろんな香りがするじゃないですか。
それこそすごくスパイシーな匂いだったり、とにかく色んな香りがする。
Hー香水を強くつけている人も多いですしね。食事に行ってもバーンと匂いがする時もあるし、サービスの方ががもうガツン!と香水をつけていたりすることもある。文化として確立されている。
Eーそういう色んな匂いが複雑に混ざって記憶の中にあるのかもしれませんね。なんだか納得しました。
それから、ちょうどあの時に“髪結いの亭主“(1990公開. パトリス ルコント監督作品のフランス映画)を観た直後だったんですよね。すごく好きな映画なんですが、主人公がトルコのダンスを踊るエキゾチックなシーンがあって。そのシーンが印象的に記憶されていたので、そのスパイシーな香りと結びついた部分もあるかもしれません。
Hー“髪結いの亭主“ 私もとても好きな映画です。
あの映画に香りをつけるとしたら、出てくるヒロインの女性の為に何か香りを作るとしたら、スパイシーで甘やかで…もしかするとこういう香りになりそうな感じがしますね。
ー“気まぐれで奇妙な国“のこと
Eー少しパーソナルなお話になりますが、広美さんにとってのフランスの思い出をお聞きできたらと思います。
Hーそうですね。2015年かな?7年ほど前ですが、パリに行った時に立ち寄ったBULYのお店での思い出をお話しますね。
まだBULYが日本へ上陸する前、ボナパルト通りにお店が1店舗しかなかった時で。
立ち寄った時にたまたま創立者のヴィクトワールさんがお店にいらっしゃって、BULYを立ち上げた経緯だったり、植物に関することだったりとかを伺う機会があったんです。まだ自分がアロマテラピストとして活動を始める前だったのだけど、ちょうど人も全くいなくて可愛らしい店内で、いい香りがして、すごく良い時間だったんですよね。
その時の匂いとかお店のグリーンのタイルの鮮やかさなどをすごく覚えているし、購入した香水は今でも持っています。
広美さんがParisで撮影したBulyの店内の様子
Eー旅の中で偶然にできた良い時間ってすごく記憶に残りますよね。
Hー当時、スタッフとして働いていた日本人の女性の方が、またとても素敵で。
その頃私は、雑誌のWEBサイトで旅のコラムを書いていたのですが、日本のメディアではまだBULYのことが出ていない時だったので、書いても良いですか?と確認したんですね。
そしたら、書いてもらって大丈夫なんだけど、ヴィクトワールにも見せたいので記事が出来たら一応確認させて欲しいとなり。もちろん送りますと。
そんなやりとりをしたのち、最後に「どうしてパリにいらっしゃるんですか?」と彼女に質問をしたんですね。これはごく個人的な興味で。
流れから、彼女がお店の仕事以外で取り組んでいる芸術活動の話を聞いたりした最後に、彼女がフランスのことを“この気まぐれで奇妙な国“って言っていたんです。
「この国は本当に気まぐれで奇妙だけど、とても魅力のある国ですよね。」ということを仰っていて。
その言葉がすごく綺麗だったし、なんて素敵な表現だと思って、その時のBULYの空間とか匂いとかと一緒にすごく覚えていて。今でも彼女の声のトーン、柔らかな午後の日差しまで思い出せるくらいに。
その“気まぐれで奇妙な国“というのが、フランス映画の表現としてもそのものというか、コレクションのインスピレーションの話をえりちゃんと話しているときに話題に出た“ポンヌフの恋人“の1シーンだったり、そういうものとも全部繋がったんですよね。
Eーフランス映画っていきなりな展開が多いですもんね。えー?気まぐれに死んじゃうのー?!みたいな…本人にとっては気まぐれでは無いんでしょうけど、観ている方はびっくりしちゃう。
Hーそうそう。そういう突発的なパッションというか、奇妙さだったりシュールさだったりがありますよね。
Eーそうですね。20‘sのアート、マンレイやピカソだったりの作品って綺麗と奇妙の間というか…シュールレアリスムっていうくらいですしね。確かにその言葉、とてもピタッと当てはまります。そして的確なだけでなくって、とても素敵な表現ですね。
ちなみに広美さんがBULYを訪れた時に印象に残った香り、購入した香水は、どういう香りだったんですか?
Hーその時はちょうど冬、11月くらいだったかな。だいぶ寒くなっていて空気がカラカラに乾いている時で。だから、結構甘い香りでしたね。
サンダルウッドとかナツメグだったりが入っている、日本では選ばないような香り。あ、さっきの話と繋がりますね!(笑)
香水のノートで考えると、昨年のcharritaの香りと共通する部分があるかもしれません。
日本に帰ってこの香水をつけることは少ないだろうと思ったんですが、その時の記憶を留めておきたくて、ヴィクトワールが選んでくれた香りを購入しました。
広美さんがParisで撮影したBulyの店内の様子
Eー面白いですねー!なんだかすごく腑に落ちました。広美さんの無意識の中のパリでの記憶の断片が呼応したというか…
私の記憶のどこかにあるフランスを呼び起こしたのかもしれませんね。こんなに丸く収まる話だと思っていませんでした(笑)
Hー本当に!自分で話していてゾワッとしました(笑)
あとは、コロナ禍になる前の2018年の夏至にいたパリのことも印象的ですね。夏至の明るい空の下で、ちょうど街中でミュージックフェスティバルが開かれていて。みんなが楽しそうで乾杯していて。冬の気怠い空気とはまた違う、パリの陽の部分を味わったなぁという記憶です。
Eーヨーロッパは冬と夏で印象がガラッと変わりますよね。日照時間も長くて、パリのその頃は夜9時過ぎても明るいですもんね。
Hーそういう部分でも緩急がつきますよね。二面性というか、すごく陽気な部分と陰な部分とある部分と繋がるというか。気候にもよるし、日照時間だったりで人の感情って左右されるものですしね。
Eーそうですね。私はパリに冬訪れることが多かったんですが、初めて夏のパリに訪れた時にこんなにも印象が違うのかと驚きました。なんて楽しい陽気な気持ちになれるんだろうと!
Hーそう。どこまでも行けるようなね。広がる感じがしますよね。
Eーなんというかやっぱりラテンなんだなと。そういうルーツの部分を感じたりもします。
Hーうんうん。フランスのチャーミングな部分というのはあの季節に生まれているのかな、なんて思いますよね。
Eーそういう意味であなたにとってパーソナルなフランスってどんな香り?と聞かれると、私は、普段から好きでよく広美さんも使ってくれるネロリの香りを思い出したりします。何度か夏休みを南仏で過ごした良い想い出があって。明るい陽の光や、みんながとても幸せそうだった風景と重なって。広美さんはパーソナルに感じるフランスの香りって言われたら何を思い浮かべますか?
Hーなんでしょう・・・アニスなんかはすごくフランスっぽい感じがしますね。これもイメージですが、アンニュイで甘やかな感じとか、気怠い感じだったり。あとはさっきのお話に出てきたバニラなんかもそうですね。アロマテラピー的に言うところだと、パリではなくて南仏になるけどラベンダーかな。アニスはこんな感じの香りです。(ムエットを差し出す)
Eーあぁ!すごい。色で言うとパープルみたいな。でもスッキリ爽やかですね。
Hーこれはアニスマートル、アニスみたいな香りのするハーブだから少しスッキリとした香りです。本当のアニスシードはもっとボルドーというかダークパープル!みたいな濃厚な香りです。比べてみてください。(再びムエットを差し出す)
Eーうーん!ダークパープル!濃厚というか妖艶というか…
Hーブランデーとかお酒とかに合わせて食べたい芳醇なケーキのような香りですね。パリというと私はこんな香りを思い出します。
ちょっとスパイシーで甘いんだけど、中東系のスパイシーとはまた違う感じの香りなんですよね。何とも言えない恍惚とする感じというんでしょうか。あとは、マジョラムやタイムなどの薬草もフランスではよく使うのでハーブのイメージもありますね。
Eーなるほど。
広美さんの選んだアニスはディープなパープルやボルドー。
私が選んだネロリは、色をつけるなら柔らかで黄身がかったオレンジのような色を連想します。色相的にもこの2色は、ほぼ反対色になるんですよね。2人が選んだ香りだけでもフランスの陽と陰の二面を感じるのは面白いなと思います。
ちなみ香りにはワインのように、何か定義ってあるんでしょうか?
Hーワインほど定義はされていないかもしれないですね。
もう少し個人的なものっていう感じがします。香水だと、フローラル、シトラス、ウッディなどカテゴリーで区切られてはいますが、精油になると、人によって感じ方が全然違うなと思うことが多いです。
例えば「甘い」という表現も、バニラみたいな甘さもあればオレンジなんかの柑橘の甘さもある。アニスだって甘いと言う人もいればスパイシーだと言う人もいますしね。
体の構造が違うので、性別によっても感じ方は違います。これは○×な香りです、とは一言で定義できないものだなぁと感じます。
Eー確かに。記憶と結びついて感じ方が変わったりするようなものですもんね。
やはりすごく感覚的なものなんですね。今日は自分の香りに対する謎解きが少しできたような気がします。とても興味深くて楽しいお話しでした。ありがとう御座いました!
Hー今回のコレクションに辿り着くまでに、香りがこんな風に創作のインスピレーションになっているんだと知り、改めて感動しています。
励みにもなったし、これからのえりこさんのクリエーションがますます楽しみになりました。こちらこそ豊かな時間をありがとう御座いました。
加藤 広美/KATO HIROMI
■THENN AROMATHERAPY(ゼンアロマテラピー)
精油療法士 / 英国IFA認定 国際PEOTセラピスト
植物のもつ性質や効能と香りを掛け合わせて、心身の状態に合わせて生活に取り入れる方法を提案する。
精油(エッセンシャルオイル)を用いた健康の維持、促進に特化した国内では数少ないPEOTセラピスト。対面でのPersonal Blendingを
中心に、プロダクトの香りの監修や香りでの空間演出等も行う。PEOTはプロフェッショナル エッセンシャル オイル セラピーの略。
HP: https://thenn.tokyo/ Instagram : @___thenn
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